大姑娘山

　８０周年記念事業の前段として、先輩達と大姑娘山（5025m）に出かけた。６月２６日深夜甲府発、朝一の8：55中国国際航空の重慶行きで上海経由で成都に向かう。成都からはガイドの宋さんと合流し市内のホテルへ　18：00頃着。
　翌日は、市内でガイド（キッチンボーイ）と医師（女性）を乗せ、四川大地震のため本来の都江堰からの道はバスが通行できないため、100ｋｍ程大回りをして4100ｍの峠を越え日隆（リーロン）に向かう。峠に向かう道は険しく、とても下は見たくない。良く見たら谷に車が落ちていた。

　　　　
　峠手前の道　ヤクがゾロゾロいた　　　　　　　　　　　　　　　　　峠の看板

リーロンでは、まだ地震の被害があちこちに見受けられる。17：50町はずれの新四姑娘山荘に着く。3000ｍの標高のため、急に荷物を持つと息が苦しい。宿では温水のシャワーが20時から２２時の間しか使えないし、トイレの流れも悪い。

４階泊まり、トイレが流れず往生する

6/28　くもり　本日より全員パルスオキシメーターによる血中酸素濃度と血圧の測定を行う。9：00　山荘発。途中、管理事務所にて連絡官と地元ガイドを乗せ9：15登山口に着く。幕営用のボンベやテントなどの荷物を分散し馬8頭に積んでいる間に、我々は先に出発する。渡辺さんは体調不良で馬でＢＣへ向かう。人の乗る馬代は１日200元（3000円）とのこと。道はヒイラギの様な林の中と開けた草原（坪）を進む。このコースは、花海子までが馬による地元の観光コースとなっており、足元には馬の糞が沢山落ちている。四姑娘山は雲に隠れて見えない。高山植物の咲き誇る中　17：10一面のキンポウゲとヤクの糞がごろごろする3600ｍの川辺のＢＣに着く。まだシーズン初めのようで、ＢＣは私達のパーティと地元の村人のみですいていた。

　　　　
　体調不良の渡辺さん　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石板熱


ＢＣ　夜中にヤクがゾロゾロやって来た

6/29　雨のちくもり　高度順化のため大海子(大きな池）、花海子に出かける。私は長靴で行動したが、結構有効だ。大海子の小屋で搾りたてのヤクの乳を暖めて飲む。少し薄い感じだ。大海子では同行の医師の張さんが夕食の魚を釣り、ＢＣに戻ったら後で連絡官に怒られたそうだ。釣りが許されるのはどうも地元の人のみのようだ。魚の数が少ないらしい。

　　　　
ヤクの乳　1人20元　高いか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　スープになった魚　ハヤ見たいだがコイ系らしい
　　　　　　　

6/30　くもり／晴れ　渡辺さんも体調が戻り、全員でＣ1へ向かう。代わりに久保田さんが体調が悪く馬を使用。途中ブルーポピーなどの写真を撮りながらゆっくりと高度を上げる。写真を撮り急に立ち上がるとふらつく。高度の加減だろう。花も多く、ミヤマキリシマのようなツツジが一面に咲いていた。4100ｍ位で休憩しているときに、馬が荷物を落として逃走。馬方が走って追いかけていった。13：00　Ｃ1に着　標高4300ｍ　ここもヤクの領域らしい。

　　　
高山植物採取　バイモの根　せきの薬　　　　　　　　　　　ベンケイソウ　根が高山病の薬　この根は太く大きかった


　　　
　ブルーポピー　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｃ1　我々意外誰もいない

7/1　くもり／雷雨　4：20起床　6：10頂上へ向かう。今日は眠りが浅い。高度のためか、はたまたダイアモックスのためか？途中より雨が降り、雷も鳴り始める。コル（4700〜4800ｍ）に出て、鉄の柵伝いに上部に向かうが、雹や至近距離の落雷のため登山を中止しコルに引き返す。状況が危険なため、下山を決めコルで休息をしていると、徐々に雨脚が弱くなり雨が止んだ。この期にと、時間制限をして希望者を募り４人が頂上に向かう。30〜40分で頂上（5025ｍ）に着いたが、滞在時間は５分程度だった。下山中には再度雨脚が強くなったが、全員がＢＣに着く頃には雨はあがった。全員登頂が目標だったので、天気さえ良ければ全員が頂上に立てたのにと思うと、非常に残念だ。ＢＣでは宋さんが差し入れてくれたワインで打ち上げをした。

　　　　
　　Ｃ1から南方面を望む　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雨の中コルに向かう

　　　　
　コルから頂上へ　雪はあるが問題ない　　　　　　　　　　　四姑娘山を望む　手前から二、三、奥が四姑娘山

　頂上

　　　　
頂上からの北西遠望　周囲どれも鋭鋒だ　　　　　　　　　　ガイド、馬方など地元スタッフとの交歓会（打ち上げ）

7/2　快晴　翌朝、天気は嘘のように晴れ、ＢＣよりリーロンに向け下山する。下山中には四姑娘山が綺麗に見えた。昨日だったらなと思うが、天気のことは仕方がない。下山後は、地元ガイドの楊さんの家（宿屋）でシャワーを浴び昼食を取る。もちろん酒も解禁である。本日の宿舎は来たときと同じ新四姑娘山荘の２階。ここでも沢山お酒を頂いた。

7/3　晴れ／雨　早朝、望月さんがジョギングに出かけたが、高度順化していても3000ｍのジョギングは息が切れるらしい。リーロンからは、地元公安との交渉はしたが、諸般の事情により来た時の道が使用できず、結局さらに180ｋｍの大迂回を強いられ、成都への高速道路の基点の雅安の町まで２０時間の車の旅となった。途中、通行が危ぶまれた二郎山の道は、雨と霧の中、何箇所もの道路崩壊にもめげず何とか通過でき、やっと帰国の目処がついた。この二郎山からは、晴れていればあのミニアコンガが遠望できるそうだ。それにしても中国の交通事情にはとても疲れた。