剣岳 源次郎尾根
昨年と同様、諸般の事情で５月２日の出発を１日延ばして５月３日より入山した。出発が遅かった為、扇沢の無料駐車場はすでに満杯で沢を渡った臨時駐車場に車を停めた。扇沢の駅は観光客で大変混み合っており、トロリーバスの乗車時間は発券時は８：３０であったが、８時のバスに空きがあり３０分早くバスに乗ることが出来た。結局、室堂（2450ｍ）に着いたのは混雑もあり１０時３０分であった。
身支度を整え別山乗越しに向かう。雷鳥沢周辺はスキーヤーで大変混み合っていた。剣御前小屋から剣沢に入る。快晴だが非常に風が強い。
室堂 別山乗越に向かう
剣沢のテント場にはすでに３０張り以上のテントがあった。運良くブロックを積んだ空いたスペースがあり、スノーソーでブロックを積み増しテントを張った。小屋にビールを買いに行くと、源次郎に登ったパーティのテントが強風で飛ばされ、剣沢を登って来た登山者に拾われ小屋に届けられていた。なにせ風が強い処だ。水は少し遠いが登山研修所の屋根の樋から流れている水を利用したため、時間と燃料の節約にもなった。テントはＷさんのICIの５人天で、居住性は良いがキャンプ用？の為か風には弱そうで、夜中じゅう強風でバタバタとあおられていた。
テント場から剣岳 源次郎が良く見える テントと防風壁
コースタイム： 10：30室堂-14：40剣沢TS
翌朝、天候はあまり良くない。強風にあおられテントが飛ばされないように、テントをたたみヘッドライトを点け出発する。平蔵谷の入り口にはすでに２人組の１パーティが先行して登っていた。我々も出合いで支度を整え急なルンゼに取り付く。ルンゼ内は休むところもないが、最上部でシュルンドを崩し休憩を取る。ルンゼを振り返ると、後続のパーティはいないようだ。
ルンゼを抜けると右に折れブッシュ混じりの急登が続く。岩場を回りこみ、最後の急な雪壁を登ると１峰頂上となる。１峰から２峰のコルへは急な下りで、ステップはあるが左右切り立っているため、ロープで確保し慎重下った。コルは広く絶好の休憩場所だ。
取付きの急峻な登り １峰の下り
コルから２峰へは、ハイマツ混じりの急な雪壁を登る。頂上は狭いナイフリッジになっている。下降点までは４、５０ｍのリッジとなっている。下降点にはしっかりとした鎖がセットしてあり、これにロープを掛け下る。上から覗くと、コルまでかなり距離がありそうに見えたのでダブルロープで下るが、下降して振り返ればシングルダブルでもぎりぎり間に合いそうな様子だ。コルには大きなテント場の跡があった。
２峰下降点手前のナイフリッジ ２峰の懸垂下降 ロープは風で大きく振られた
コルからは剣本峰は濃いガスに包まれ展望はまったくない。トレースを辿り急な雪壁を登り終えた辺りにテン場跡があり大きなキジも残置してあった。更に進むと、トレースが下って行く。あわてて戻ると、八峰から早月を下る単独登山者と会い「頂上は何処でしょうか」と尋ねる。彼も頂上がどこか怪訝な様子で、結局のところテン場跡が頂上なのだろうと決め込む。（山梨に帰って、８日の総会時三枝さんに話を聞いたら、やはり頂上は埋まっていたとのことだった。）
早月尾根との分岐から別れ左手の別山尾根を下る。鎖場とハシゴの連続するカニの横ばい（これの方が嫌だ）を緊張して下り、平蔵のコルに着けばもう一安心。平蔵のコルでは、このまま別山尾根を下るか平蔵谷に下るか協議し、結局一気に800ｍ平蔵を下りテント場まで400ｍ登り返すこととした。テントに戻ってからは、昨日の分まで宴会をしてしまった。
早月尾根と別山尾根の分岐 視界はない 平蔵谷をシリセードで一気に下る スキーでもいいかな
コースタイム： 4：10剣沢TS-5：00ルンゼ-6：04ルンゼ上部休憩ヶ所-8：25 １・２のコル-10：30 ２峰下降点-12：00山頂？-12：00カニの横ばい -14：40剣沢TS
翌日はゆっくりと起床し、大汝山経由と雷鳥沢経由の２ルートに分かれ行動する。（２日発の当初の予定では内蔵助平に下るつもりだった。）天気は昨日と比べ非常に良いが、テント撤収時、銀マット２枚を飛ばしてしまった。Ｍ村君が急いで追いかけると、１枚は剣沢小屋の前で偶然にも正月の西穂で会った田辺ガイドさんに拾ってもらい、残り１枚はそれよりはるか下でＭ村君が回収した（ゴミにならなくて良かった）。大汝山経由は、雄山直下でシュルンドに落ちるなど結構時間がかかったが、人にも会わず静かで雷鳥も見かけられたいへん良かった。雄山山頂から会う人はスキーヤー（ボーダー）だらけになった。
大汝山から剣岳方面 雷鳥 他に１匹白い雷鳥がいた。つがいか？
コースタイム： 9：00剣御前小屋-10：00別山のコル-12：00大汝山休息所-12：45雄山山頂-14：20室堂